2019年12月16日月曜日

『12月・・長崎は今日も雨だった?』


 先月の下旬に長崎に行ってまいりました。毎年開かれる日本矯正歯科学会の大会出席のためですが、堅い話ではなく雨上がりの長崎で歯医者目線での発見についてご報告します。
最初は出島。ご存知の通り江戸時代に鎖国していた日本が、ポルトガル人(後にオランダ人)を管理するために作り、唯一貿易を許していた4000坪に満たない人工島です。法律的にここは国外で、ポルトガルの役人が生活するため畑や家畜を飼う場所も用意されました。ここから出土する生活用品の展示品の中に歯ブラシを見つけました。柄は動物の骨で作られ、ブラシの毛も動物の毛だったようです。豚の毛の歯ブラシは私の子供の頃にもありましたが毛先が鋭く硬いために歯や歯茎を傷つけます。そして出土した歯ブラシは柄が短く植毛部分が長いのでブラッシング圧が強くなるため、3本とも植毛部分の根元で折れています。おそらく出島の住人は歯の根元がくさび状に削れて知覚過敏に悩まされていたのではないかと思います。
つぎは眼鏡橋。これは1634年に建造され日本最古の2連アーチの石橋とも言われています。鉄骨などは使われておらず、アーチを構成する台形の石が相互に支え合うことで形作られています。つまり、この石が一つでも外れるとアーチ橋は川の中に崩れ落ちてしまうのです。これって歯列も同じで、たとえ1本だけと言っても歯が歯列から外れて八重歯や、内側に入って反対咬合になっているとそこに向かって両方からどんどん歯が動いてきて噛み合わせが崩れていってしまうのです。きれいな歯列は機能的で安定した形でもあるのです。

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